南ア前衛、荒倉山

 1月7日に荒倉山に行って来ました。荒倉山は中央線や国道20号線から見上げると、頂上に2、3本の松の木があるだけの好展望を期待させる山ですが、登ってみると潅木に覆われて大パノラマを満喫するということはできませんでした。それでも山頂の手前では八ヶ岳の全容が眺められ、木々の間からは、間近にそびえる鳳凰山、反対側の茅ヶ岳とその向こうに奥秩父の山々、甲府盆地と富士山などを垣間見ることができます。

甲斐駒ヶ岳 荒倉山地図
<穴山付近から眺めた荒倉山、右に甲斐駒>

 特筆すべきは甲斐駒ヶ岳の眺め。平川<たいらかわ>峠を過ぎて稜線をたどり始めると、あおどんくさんが暮れに登られたという淵ヶ沢山の左に、白雪に輝く甲斐駒が突然頭を出しました。甲府から見慣れた端正な三角形とは違って、左に摩利支天を突き出した姿は、距離が近いこともあって圧倒的な迫力です。

 荒倉山の頂上は疎林の中で三角点も山名表示板もありません。木の間越しに周りを窺えば、ここに木がなければ360度素晴らしいパノラマが眺められるだろうと思えます。

甲斐駒ヶ岳 茅ヶ岳と七里岩
<淵ヶ沢山の左に甲斐駒ヶ岳が頭を出す> <荒倉山林道から金峰山・茅ヶ岳と眼下に七里岩>

 ちょっぴり惜しいような気持ちで、帰りは平川峠から北へ稜線沿いに伸びる荒倉山林道をたどりました。すると何ということでしょう。登山道からよりも容易に、遮るものなく甲斐駒や鳳凰を眺められる所があるのです。さらに進めば反対側に金峰山から富士山までのパノラマが広がります。春日山もわかりました(^_^)。道沿いには山小屋を建てたくなるような平地があります。眼下には七里岩が横たわり、流れ山と呼ばれる七里岩上の小山が立体模型のように見えます。車窓展望派の皆さんにはお勧めの荒倉山林道です。

 荒倉山林道は、宇波円井<うわつぶらい>の集落から入り、その西標高600mにある容泉院という寺の前を通って881.3m三角点を巻き、平川峠に達しています。5万分の1地形図にはまだ記載されていないかもしれません。途中から未舗装。私たちが歩いたときは雪はなく、一部凍っている所がありました。

【日 程】1994年1月7日
【山域名】南アルプス
【山 名】荒倉山(1132m)
【天 候】晴れ
【メンバー】妻、私
【地形図】1:50,000「韮崎」
【タイム】穴山橋10:20→11:35平川峠11:45→12:45荒倉山→13:50平川峠→15:30穴山橋 (実歩行時間4時間40分)

Walstone

(1994/01/09記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #02134)