鳥坂峠〜桜峠(甲府盆地南縁)

 甲府盆地と芦川の間を東西に伸びる稜線を歩いてきました。芦川の名山釈迦ヶ岳より西は、踏み跡の少ない薮尾根です。峠で車を見かけただけで、歩いている人には一人も会いませんでした。最初は展望を楽しんでいましたが、後半はひたすらの歩きになってしまいました。

鳥坂峠〜桜峠地図

***

 奈良原のバス停で北西はるかに真っ白な三角錐の山が見える。常念岳。幸先が良い。

 鳥坂峠は新しいトンネルができていた。今年の5月に開通した由。旧道を戻って鳥坂峠に出る。春日山では槍穂常念大天井燕が見える。その右は雲に隠されている。手前に高ボッチと鉢伏山。雪を被った白根三山がまぶしい。八ヶ岳金峰山と甲府盆地もくっきり。春日山の植林は2年前に比べると背が伸びている。この展望が楽しめるのも、あと数年か。

春日山からのパノラマ
<春日山から南ア、甲府盆地、八ヶ岳、金峰山>(画像をクリックすると拡大します)

 黒坂峠から鴬宿峠の手前まで、防火帯で尾根が刈り払われている。北側の眺めが良い。北アルプスは雲に覆われてしまった。大窪集落へ下る尾根を分けて南西に向ったところで、南アルプスが素晴らしい。鋭角の頭を出した聖岳、赤石悪沢、蝙蝠岳と塩見岳、白根三山と白い巨峰が並ぶ。南には御坂山地の間から富士が頭だけ出している。

なんじゃもんじゃの木
<なんじゃもんじゃの木>

 なんじゃもんじゃの木のある鴬宿峠を過ぎて10分ほど進むと、突然林道に出る。大窪鴬宿線というらしい。鴬宿側は舗装済み、盆地側は未舗装。この林道からの八ヶ岳金峰山甲府盆地の眺めは黒坂峠より良い。再び尾根道に入ると、踏み跡がわかりにくくなってくる。ところどころに新しい赤テープあり。時々落ちている空き缶や弁当のゴミは山仕事の人たちの残したものか。見苦しいゴミでも道をはずしていないことの確認にはなる。

 滝戸山南西の1246m峰から西北西に尾根を下る。踏み跡をたどったら北に向って下り過ぎてしまい、戻って日蔭山へ。このあたりの地形は複雑。踏み跡は南を巻いているようだが、薮を漕いで山頂へ向う。日蔭山山頂には94/4の日付の入った小さな山名プレートあり。

 右左口峠(うばぐちとうげ)から関原峠、大峠までは時々踏み跡を見失いながら、地形図と磁石、高度計で確かめつつ進む。大峠から北へ豊富村に下る道を分けて、西へ向う踏み跡を探し、桜峠をめざす。838m峰からは迷うところもなさそうなので、尾根をはずさないようにどんどん下る。桜峠の手前の傾斜が緩やかになったあたりで、北岳と赤石岳が前山越しにのぞく。と、突然目の前にススキと茨、つる草の猛烈な薮。ここまでは薮とはいっても葉の落ちた潅木で、下草は枯れており、歩くのに困難なところはほとんどなかった。が、ここはどうしようもない。尾根を西へたどるのは諦めて、しばらくさまよった後、北へ下る道をみつける。少し下ったら、ここでも新しい林道が伸びてきていた。桃と葡萄の畑の中の道を甲斐上野駅に向う。

[データ]

【日 程】1995年12月3日(日)
【山域名】
【山 名】崩山(1235.1m)、春日山(1158m)、トヤンハチ(1236m)、 名所山(1118.4m)、滝戸山(1220.8m)、千畳敷(1246m)、日蔭山(1025.3m)、七覚山(946m)、三ツ俣尾山(838.0m)
【峠 名】鳥坂峠、古峠、黒坂峠、新倉峠、鴬宿峠、右左口峠、柏尾坂峠、関原峠、大峠、桜峠
【天 候】晴れ
【メンバー】単独
【地形図】1:25,000「河口湖西部」「市川大門」
【タイム】甲府駅6:43⇒7:20奈良原7:30⇒7:50鳥坂トンネル→8:00鳥坂峠→8:30春日沢の頭8:35→9:10黒坂峠→10:05鴬宿峠10:15→11:00滝戸山→11:25千畳敷11:35→12:30日蔭山12:40→12:55右左口峠→13:35関原峠→14:25大峠→14:55三ツ俣尾山→15:50桜峠→16:35身延線甲斐上野駅 (実歩行時間8時間)

 山と峠の名前は『甲斐の山山』(小林経雄著)によりました。『続山梨のハイクコース』(上野巌著)でも同じ名称を使っています。『分県登山ガイド14山梨県の山』(山村正光著)では、崩山は「春日沢の頭」、トヤンハチは「東洞」としています。

久しぶりにしっかり歩いて体調が良くなった Walstone

(1995/12/04記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #03351)