家族で金北山(佐渡島)

金北山地図

 子連れで大佐渡山地を縦走してきました。期待していた両側に海の見える縦走路は4分の1以下で、あとは林の中。風が強烈で展望もままならず、ザレの下りは要注意。風のない林の中は暑くて暑くて。標高1000メートル程度では、夏では暑すぎました。春か秋が良さそうです。今年(1995年)の『山と溪谷』3月号「特集=春に登りたい30名低山」には、「日本海の遅い春 花を求めて 木原父娘の大佐渡めぐり」が載っていました。

 良かったのは、センチコガネやオニクワガタ、オオゾウムシなど虫が多かったことです。子ども達は大喜びでした。

 帰りに両津の港から振り返ると、白雲荘、金北山、大佐渡ロッジが見えました。あれだけの距離を一日で、特に4歳の三男は元気によく歩いたものだと思いました。

【日 程】1995年8月24日
【山域名】大佐渡山地
【山 名】金北山(1172.1m)
【天 候】晴れ時々曇り
【メンバー】長男(9歳、小4)、次男(7歳、小2)、三男(4歳)、妻、私
【地形図】1:50,000「相川」「両津」
【タイム】国民宿舎白雲荘8:00→9:50金北山10:10→12:35いもり平12:40→14:00石花越→14:20マトネ14:30→15:15アオネバ峠15:25→16:10 国民宿舎大佐渡ロッジ (実歩行時間7時間)

 いかにも観光地といった大佐渡スカイライン上にある白雲荘()を後にして金北山に向かう。ここからは防衛庁管理道路のため一般車通行禁止。途中自衛隊のバス2台に追い越される。妙見山付近の道路沿いにはツリガネニンジン、マツムシソウが咲いている。

 金北山山頂付近は完全に自衛隊に占領されている。鉄条網の外側を歩かねばならず、山頂は自衛隊のドームに囲まれた神社に寄れるだけ。二等三角点が神社の脇にひっそりとある。東側の展望は開けている。国中平野と小佐渡丘陵が一望。それ以上遠方は霞んで見えず。両津方面から犬連れの3人が登ってくる。このあと、縦走路では誰にも会わず。

金北山からのパノラマ
<金北山から南東側のパノラマ>(画像をクリックすると拡大します)

 山頂を後にして林の中を下る。暑い。これから歩く稜線が長く伸び、今日の宿の大佐渡ロッジがはるかに遠い。カミサンと長男は「あんなに遠いの。」とブツブツ。なまじこれからのルートが見えてしまうのが良くない。歩いてきた後で「こんなに歩いたのか。」と見返せるのがいいようだ。

 アヤメ池、二ッ池などの湿地を過ぎ、山頂から半分くらい来たところでようやく展望の開けた稜線となる。日本海からの風が猛烈に強く子どもは飛ばされそうになる。

 いもり平は芝生が広がり水場も近くにあるよう。テントを張りたいような場所。このあたりから巨大な糞と蹄の跡。放牧の佐渡牛のものらしいが姿は見えず。

金北山
<マトネから金北山を振り返る>

 子ども達は思いのほか元気に大佐渡ロッジまで歩きとおすことができた。

 大佐渡ロッジは白雲荘と同様に佐渡島が見渡せる位置にあり、特に夜景が素晴らしい。イカ釣り舟の集魚灯と両津の町明り。ロッジ入口に赤外フィルムで撮ったと思われる大きなパネルがあり、本州の山が写っていた。そこにあった「佐渡ドンテン山から見える本州の山々」という手製のパンフレットには次の山が記してあった。

 鳥海山、朝日連峰、飯豊連峰、五頭連峰、御神楽岳、浅草岳、守門岳、魚沼三山(駒ヶ岳・中ノ岳・八海山)、巻機山、谷川連峰、苗場山、黒姫山、妙高連峰、白馬連峰、立山連峰。手前に角田山、弥彦山、国上山、米山、小佐渡山地。

 翌朝、ロッジから弥彦山をかすかに見ることができた。

 どんでん高原から両津への道は崖崩れのため通行禁止。ロッジの送迎バスで入川に下って相川経由、両津に出ることができた。

Walstone

(1995/08/27記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #02192)


<註>
 その後、1998年8月に歩かれた中道さんによれば、白雲荘は1997年から宿泊客は受け入れていないようです。中道さんたち御一家は、私たちの終点、大佐渡ロッジから金北山を往復されたとのことです(*_*)。