家族で霧訪山(中ア北端)

霧訪山地図

 中央アルプスの北端にある霧訪山(きりとうやま)に行ってきました。簡単に登れる展望の良い山ということで、前から子連れで行きたいと考えていたところでした。FYAMAP開設当初の1994年10月に、ぶるんねんさんが登られた報告「霧訪山からの展望」(#49)がありました。

【日 程】1997年11月2日(日)
【山域名】中央アルプス
【山 名】霧訪山(1305.4m)
【天 候】晴れ
【メンバー】妻、子(小六、小四、小一)、私
【地形図】1:50,000「塩尻」
【資 料】『中央本線各駅登山』山村正光(山と溪谷社)
【タイム】小野神社駐車場10:45→11:00庚申塚11:10→11:40送電鉄塔11:45→12:20霧訪山13:25→13:50送電鉄塔13:55→14:15登山道入口→14:25庚申塚14:40→15:00小野神社駐車場 (実歩行時間2時間30分)

 小野まで車で行く。小野は、塩嶺トンネルができたために盲腸のように取り残されてしまった中央線沿いの町である。道沿いには古い家並みが残されていて、かつての宿場町であったことを思わせる。山あいの落ち着いた良い町である。

 小野神社の駐車場に車を置いて歩き始める。登山口にあたる庚申塚のところには色づいた紅葉と、栗の木が数本。庚申塚のすぐ左側から薮っぽい踏み跡をまっすぐに上へ向かう。あまり歩かれていないようだ。送電鉄塔までくると、小野の町を見下ろすことができる。

 登山道はずっと「茸山立入禁止」のビニールテープ沿いの急登である。のんびりとした低山歩きをするつもりだったのに、なかなかしんどい。急なだけに、登りは速い。1時間半ほどで頂上着。

霧訪山山頂
<霧訪山山頂、遠くに穂高>

 頂上には高い木はなく、360度の展望(霧訪山からのパノラマ[QTVR] , [JPEG])。真っ先に目に入るのは雪化粧の穂高岳。大キレットを隔てた槍ヶ岳は雪をつけず黒い。頂上からの展望については、『中央本線各駅登山』の山村正光さんの解説を引用してしまおう。

 「ほとんど真西に、ずんぐりと鉢盛山の一等三角点。ぐるっと首(こうべ)をめぐらすと、ちらりと御嶽山が見える。さらに南、ひときわ高いのは経ガ岳。それと重なり合うように木曽駒ガ岳。さらに左、入笠山や守屋山の上には、赤石岳、荒川岳、塩見岳、仙丈ガ岳と、南アルプスのジャイアンツが続く。北岳のピークは小さく、その左のピラミッドは甲斐駒ガ岳、その東彼方は富士山である。
 東には、八ガ岳の連嶺や、蓼科山。北にはゆるい丘状の美ガ原。その左、安曇野の上に、すっくと立つは常念岳。その左に槍の穂先が見え、穂高連峰はハスに見えるので締まった山姿で対峙している。」(148-149ページ)

 以上、ほとんど補足する所はない。ただ、松本の町の遠方の靄の中に白い山がぼんやりと見えた。方角と山頂の形から高妻山だろうと思う。頂上に着いたのが昼過ぎだったため、南アルプスと木曽駒は解説のように眺めることはできなかった。富士山も見えず。

 すべりやすい急な道を慎重に下る。送電鉄塔から少し下った所で、登ってきたよりも良い道が右にある。そちらを下ると、庚申塚よりも南西に出た。そこに、「霧訪山登山口」の看板があった。庚申塚に寄って、子供たちは拾い残された栗を集めた。

 頂上までの道は良いとは言えないが、山頂からの展望は噂にたがわず一級品だった。

Walstone

(1997/11/03記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #10470)