地図

子連れで北岳と小太郎山(南ア)

 小学生の息子とテント泊で、北岳に行ってきました。天候に恵まれて、大樺沢の雪渓歩き、色とりどりのお花畑、テント場でのブロッケン、天の川など満天の星空、北岳山頂での大展望などなど、夏山の楽しさを満喫できました。帰りには小太郎山を往復してきました。

※右の地図は、「山旅倶楽部」の日本地図「4万全国」をカシミール7.0で描画したものを改変して使用しています。

【日 程】2001年7月29日(日)-30日(月)
【山 名】北岳(3,192m)、小太郎山(2,725m)
【天 候】晴れ
【同行者】息子(小5)
【地形図】1:50,000「韮崎」「市野瀬」「大河原」
【タイム】
 第1日(実歩行時間6時間)
 広河原8:15→10:25大樺沢二俣10:40→13:40八本歯コル13:50→15:25北岳山荘
 第2日(実歩行時間7時間50分)
 北岳山荘6:10→7:30北岳8:05→8:40肩ノ小屋8:50→9:15白根御池分岐点9:20→10:25小太郎山10:40→11:45白根御池分岐点12:00→13:25白根御池13:45→16:00広河原

 この時期、小屋が大混雑するのは間違いないのでテントを持っていく。広河原の駐車場も混むからバスで行きたいところなのだが、今年はバスの時刻が変わってしまって朝の適当な時間のものがなくなってしまった()。しかたがないので車で。広河原では、何とかスペースを見つける。

 大樺沢は雪がだいぶ残っている。用意してきた軽アイゼンをつけて、息子は初めての雪渓歩き。雪をけずって、かき氷状にして食べる。

<大樺沢雪渓を登る> <大樺沢の仮設トイレ>

 2年前には大樺沢の右岸に設置されていた仮設トイレが、今年は左岸に作られていた。こちらの方が利用され安いだろう。

 雪渓の上部は傾斜がきついので、雪渓をはずれて夏道を登る。右手に見上げるバットレスの岩壁には、クライマーが二人。二俣から近そうに見えていた八本歯のコルにはなかなか着かない。

<ミヤマハナシノブ> <北岳バットレス> <八本歯コルからの登り>

 ようやくたどり着いたコルから、さらにハシゴの登りがつづく。岩のすき間に白花のタカネビランジが咲いている。

<タカネビランジ> <ハクサンイチゲ>

 トラバース道をとおって、お花畑の中を北岳山荘へ。小屋の下の見晴らしの良い場所にテントを張る。夕方、ブロッケンが見えた。

 午後からガスが出てしまって、富士も北岳も見えなくなっていたが、午前2時半ごろ目を覚ますと、快晴の星空。天の川の中にカシオペアや白鳥座が輝いている。眠っている息子を起こして、テントから体を乗りだし星空を仰ぐ。

<テント場からの富士> <甲斐駒と八ヶ岳、眼下に肩ノ小屋、
甲斐駒と肩ノ小屋の中間に小太郎山>

 快晴の中を北岳に向かう。登りの斜面の二ヶ所に、真新しいハシゴがある。以前の鎖もあるのでハシゴは必要ないような所だが、滑落事故の場所なのだろうか。

 北岳山頂からは素晴らしい展望。しかし、遠望はあまり効かない。槍穂がわかる程度で、それより北は霞んで見えない。

 北尾根の白根御池へ下る分岐点から小太郎山を見下ろすと、近く見える。30分くらいで行けるのではないかと思ってしまう。小太郎山には今までなかなか行く機会がなかったのでチャンスだと思い、子どもに「行ってみようか?」と聞くと、やはり近くに見えたのだろう、「行こう。」という返事。山梨百名山の一つでもあるし、兄二人は行ったことのない山でもあるので、あとで自慢できると考えたのかもしれない。しかし歩き初めて30分後には、後悔することになった(^^;)。

 どんどんくだるのに、小太郎山はなかなか近づかない。岩稜を乗り越したり、ハイマツをまたいだり、いちばん下の鞍部は森林限界の下で、林の中に入ってしまった。この岩場を登れば小太郎山だ、と思って上にたどり着いたら、本物の小太郎山はまだ向こうにある。上から眺めた白っぽく目立つニセの頂上だった。結局、1時間以上かかって到着。テントを張れる小平地もあり、静かで良い山頂だ。360度のパノラマ写真を撮影して、帰りの登りにかかる。見上げる荷物を置いた分岐点は、遥か上方にある。

<小太郎山から北岳を仰ぐ> <タカネグンナイフウロ>

 ようやく分岐点まで戻ると、今度は白根御池までの急な下り、さらに広河原までも下らなければならない。分岐点からの下り始めの所には、木材で階段がつけられていた。すべりやすい所だったので、階段で歩きやすくなった。白根御池小屋は、雪崩で壊されてしまった以前の立派な小屋の面影はなく、プレハブ小屋が並んでいる。水を補給して、尾根道を広河原へ。小太郎山を往復した分だけ疲れが大きい。広河原からは、家まで直接帰れるから、車で来たのはやはり正解だったか。

Walstone
(2001/07/31記)

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(註)山梨交通バス「甲府駅−夜叉神峠−広河原」線のバス時刻

 「広河原の駐車場は混雑するから、できるだけ自家用車の利用は避けて、バスを利用するように」という看板があり、芦安にはここでのバスへの乗り換えのために無料の駐車場を設けています。しかし、肝心のバスは、今年は時刻表が変更され、甲府駅から広河原へ向かうバスは、甲府駅4:30発の次は、8:00発までありません(7/20〜8/31の夏期休暇用バス時刻)。甲府駅8:00発だと広河原着は10:02です。これでは、普通の人では白根御池小屋までで、その日のうちに肩ノ小屋や北岳山荘まで行くのは大変でしょう。広河原に8:00頃着くような、つまり甲府駅6:00頃発の便を作ってほしいものです。