米子沢から巻機山、富士山遠望

巻機山地図

 巻機山に行ってきました。

 天候に恵まれ、15日の朝、霞んではいたものの富士山を見ることができました(富士遠望)。日の出前後は双眼鏡でないとわからないような状態でした。近くにいた人に双眼鏡を貸して説明しても簡単には見つけられませんでした。しばらくすると靄が少し下がって、肉眼でも冠雪した白い富士がどうにかわかるようになりました。

 私たちが下り始めると日帰りの人たちが続々と登ってきました。しかし、その頃にはまた霞み始めていて、富士を見つけることができた人はいなかったでしょう。もともと巻機山に富士見にくる人なんかあまりいないでしょうけれど(^_^;)。

 富士山は、以前、米山さんが言われていたとおり、巻機山の山頂部一帯の広い範囲で見ることができました。

 巻機山からは、谷川岳と朝日岳のちょうど中間に見えました。
 牛ヶ岳からは、やや朝日岳よりに。
 割引岳からは、谷川岳に重なるようにすぐ左に。

 谷川岳と朝日岳の間には遮る山がないので、ニセ巻機や八合目あたりに下っても見えていました。

 巻機山山頂からのパノラマ

 前日、山頂で「槍が見える。」と言っていた人がいたそうですが、巻機山山頂からは槍ヶ岳は見えませんでした(断言)。北にある割引岳へ行くと、苗場山のすぐ右に槍の穂先が頭を出しました。双眼鏡で小槍を確認。穂高は隠れて見えません。前記の人は針ノ木岳を槍ヶ岳と間違えたのではないかというのが友人との結論です。割引岳も広義の巻機山の一部ですから、その意味では巻機山から槍ヶ岳が見えると言っても間違いとは言えないかもしれません。

 鹿島槍の左に立山、鋭角の万太郎山の右に八ヶ岳が印象的でした。南アルプスは八ヶ岳と万太郎山に遮られていたようです。

 北東方面は『続・展望の山旅』にある通りです。尖った荒沢岳に目が行きました。

 南から東方面も見えるべき山はほとんど見えていたようです。細かいことは省略(^_^;)。

 北アルプスのピークや妙高山の頭より下は濃い靄で、海岸線までは見えませんでしたが、条件が良ければ佐渡も見える、と地元の人らしき登山者が言っていました。

 そうそう、眼下の六日町が良く見えました。越後湯沢の高層ビルがはっきりと見えていました。

牛ヶ岳から
<牛ヶ岳から柄沢山(左手前)、谷川岳(中央遠方)>

[データ]

【日 程】1995年10月14日(土)〜15日(日)
【山域名】上越
【山 名】巻機山、牛ヶ岳、割引岳
【天 候】快晴
【メンバー】友人H、私
【地形図】1:50,000「越後湯沢」
【タイム】
 第一日
 桜坂駐車場10:15→13:05栂ノ沢出会→15:40大ナメ→16:50テント場
 第二日
 テント場5:15→巻機山牛ヶ岳割引岳→8:50テント場9:25→10:55五合目11:05→12:10清水バス停

 六日町駅から桜坂駐車場までタクシー5380円。駐車場は満杯。外まであふれている。観光用のマイクロバスまでとまっている。なにわナンバーで「苗場山、巻機山」と書いてあったから百名山ツアーでしょう。

 米子沢(こめこさわ)は滝と最後の大ナメが素晴らしかったですが、正直言って私はビビリました。恐そうな滝はすべて高巻き。笛吹川の東沢の方がずっと易しかったように思います(記憶が定かでないけど)。ノロシ山さんには、この広場の開設当初に巻機山の沢についてアドバイスをいただきました。ありがとうございました。

米子沢 米子沢の大ナメ 米子沢全景
<米子沢> <米子沢の大ナメ> <米子沢全景>

 避難小屋の付近のテント場には我々の他にはテント4張り。避難小屋泊りも十数人だったよう。麓にあった数十台の車はほとんどが日帰りだったことになる。

 この日は時間切れで山頂は翌日とする。快晴の空、妙高山の左に沈む夕日を眺める。日が沈んでしばらくすると、星がどんどん見えてくる。雲のような天の川。満月を過ぎたところだから、夜半過ぎにならなければ月は出ない。山に囲まれて町の明りもなく、最高の星見。

 今年の紅葉は芳しくありません。巻機山では今が盛りと言っていいと思いますが、ナナカマドの葉は赤黒く、黄葉すべきものも茶色くなっているのが目立ちました。

おみやげは「八海山」にした Walstone

(1995/10/16記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #02696)