南アルプス北部:富士川源流から鋸岳第一高点(2685m)

鋸岳地図  甲斐駒ヶ岳の北西の鋸岳(20万地勢図では鋸山)に行ってきました。鋸尾根を縦走するのは我々には無理そうなので、釜無川源流から鋸岳第一高点を往復しました。

 快晴に恵まれて、遮るもののない山頂からは360度の展望を楽しむことができました。恵那山から木曽駒、経ヶ岳までの中央アルプス。御岳、乗鞍、槍穂から白馬までの北アルプス。御岳の右には白山。槍と白馬の中間遠方に立山と劒。北から北西にかけては、妙高、八ヶ岳、浅間山、金峰山などなど。八ヶ岳と御座山の間に見えていたのは赤城山だったかもしれません。

 南アルプスは、鋭角の二等辺三角形の北岳が印象的でした。仙丈岳のカールも良くわかります。北岳と仙丈の間には塩見岳、それに重なって荒川岳。ふだんとは違った角度からの眺めが面白かったです。もちろん、鋸尾根の向こうには甲斐駒が聳えています(しかし、『日本300名山ガイド東日本編』に「甲斐駒ヶ岳・北岳・鳳凰山の上に富士山が見える」(299ページ)と書かれている、鳳凰山と富士山は甲斐駒に遮られて見ることができません)。

【日 程】1998年10月10〜11日
【山域名】南アルプス
【山 名】鋸岳第一高点(2685m)
【天 候】快晴
【メンバー】O、K、F、私
【地形図】1:50,000「高遠」「市野瀬」
【資 料】『日本300名山ガイド東日本編』新ハイキング社
【タイム】
 第一日(実歩行時間4時間15分)
 釜無川林道ゲート11:10 → 14:45上ノ岩小屋15:15 → 16:25横岳峠
 第二日(実歩行時間6時間40分)
 横岳峠6:15 → 7:45三角点ピーク8:00 → 8:45鋸岳9:35 → 10:15三角点ピーク10:25 → 11:10横岳峠11:55 → 12:15富士川水源12:25 → 13:00上ノ岩小屋 → 15:25釜無川林道ゲート

三角点付近からの鋸岳
<三角点付近からの鋸岳第一高点(左)と北岳(右)>
 鍵をかけられたゲートから8km程の林道歩き、そこから沢沿いに1kmあまりで崩壊しかかった伐採小屋。沢沿いの道は、地形図では左岸にあるが、現在は右岸を通っている。テープに注意しないと間違いやすい所あり。伐採小屋は床が傾いているが、なんとか使用可能。付近に幕営適地。川の水豊富。

 伐採小屋から横岳峠への道も地形図とは異なっている。伐採小屋から南へではなく、沢沿いに南東へ進み、富士川水源の指導標のところから尾根を直登して横岳峠をめざす。途中、木の幹に「富士川水源」とペンキ書きがあり、そこから3分で、岩の間から水量豊富な富士川の源流が流れ出している。

 横岳峠は小平地になっており、テント数張り可能。木の間から、仙丈岳と北岳が見える。水はなく、富士川水源から汲上げることになる。

 横岳峠から三角点ピークまでは、樹林の中の急登。登る途中で木々の間から槍穂、乗鞍、御岳などが見え出す。三角点ピークは展望良なるも薮がウルサイ。コブを越えて鋸岳へ。見上げる鋸岳は高度感があり、岩登りの技術が必要なほどに見えるが、取りついてみると思ったほどではない。

 鋸岳山頂はやや細長い岩の頂で、木はない(鋸岳からのパノラマ[JPEG])。「山梨百名山」の真新しい杭が立っている。

帰りの林道歩きが辛かった Walstone

(1998/10/12記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #12488)