甲州淵ヶ沢山

  甲斐駒ヶ岳の近くにある低山、淵ヶ沢山に行ってきました。甲斐駒ヶ岳と鳳凰山が間近に眺められました。知られていない山だけに標識はまったくなく、赤テープなどもほとんどありません。小鳥の声が聞こえるだけの静かな山でした。歩いたルートの最高点は標高1200mほどですが、雪はありませんでした。最後にカタクリの花を見ることができて満足でした。

 淵ヶ沢山は、小武川の流域で、青木鉱泉に行く途中にあります。国土地理院の地形図には名前が記載されておらず、『甲斐の山山』にも載っていません。淵ヶ沢山という名称は、下記の『遊歩百山』中の廣澤和嘉氏の記述に従いました。

「山旅倶楽部」の日本地図「20万全国」をカシミール3Dで描画して改変
図をクリックすると、25,000分の1地形図をもとにした詳細図を表示します。

【日 程】2003年4月13日
【山 名】淵ヶ沢山(1075.9m)
【山 域】南アルプス前衛
【天 候】晴れ
【同行者】なし
【地形図】1:50,000「韮崎」
【資 料】『遊歩百山10』120-121ページ
【タイム】小武川第三発電所下流のゲート9:00→10:45淵ヶ沢山10:50→14:15小武川第三発電所下流のゲート(実歩行時間4時間40分)

<北面(右手)がガレている> <八ヶ岳>

  小武川第三発電所の下流にあるゲート付近に車を置いて歩き始める。発電所の北側の巡視路の急な階段を登る。歩きやすい踏み跡を何となく歩いてゆくと、突然、尾根が急な崖になってしまう。地図で確かめると、794m標高点から北西への尾根に入ってしまったようだ(詳細図のAの尾根)。もどって少し南西に下り、尾根を西に向かう。北面がガレた所から八ヶ岳の展望良。霧ヶ峰や雨乞岳も見える。

<中山、遠くに霧ヶ峰> <淵ヶ沢山山頂三等三角点>

 淵ヶ沢山山頂は樹林の中で三等三角点があるだけ。木の間越しに鳳凰山地蔵ヶ岳のオベリスクが見える。

  淵ヶ沢山を過ぎて1,206m標高点に向かう稜線から、甲斐駒ヶ岳が眺められる。近くて迫力がある。1,206m標高点からの東へ尾根を外さないように慎重に進む。1128m標高点を過ぎたところで、歩きやすそうな尾根が南東に下っている(詳細図のB)。つい踏み込んでしまいそうだが、地図で確認すると、この尾根は違う。薮っぽい北東尾根が正しいルートだ。しばらく進むと、はっきりとした踏み跡はないが下生えが少なく、歩きやすくなってくる。下ったところは沢が流れ込む小平地になっており、動物の踏み跡が多い(詳細図のC)。

<はっきりとした道はないが、歩きやすい尾根道> <972m標高点付近から甲斐駒と、過ぎてきた淵ヶ沢山(右手前)を振り返る>

  972m標高点付近から、過ぎてきた淵ヶ沢山と甲斐駒が眺められる。発電所の長い階段を下る。下っていく正面には、八ヶ岳。

<カタクリ> <キブシ>

  発電所から戻る途中の道沿いの林にカタクリが十数本咲いている。この春に出会った最初で最後のカタクリだった。

 

Walstone
(@nifty FYAMAP MES-6 #22362に、2003/04/20追記)