地形図

雪の石墨山(四国・愛媛県)

 年末は家族で四国旅行に行ってきました。そのうちの一日は、私だけ別行動で、山に登りました。松山市の近くにある石墨山です。石墨山は、石鎚山の西南西約12kmの位置にあり、石鎚山の眺めが良さそうです。しかし、あいにく天気は下り坂で、途中の国道のタクシーの車窓から石鎚山がちらりと眺められただけで、石墨山では雪になり、期待していた展望を得ることはできませんでした。

※右の地図は、「山旅倶楽部」の日本地図「4万全国」をカシミール3Dで描画したものを改変して使用しています。

【日 程】2001年12月29日(木)
【山 名】石墨山(1456.0m)
【天 候】晴れ
【同行者】なし
【地形図】1:50,000「松山南部」
【資 料】『分県登山ガイド37愛媛県の山』(山と溪谷社)
【タイム】道後温泉駅8:28⇒8:45松山市駅8:51⇒9:25横河原9:30⇒10:05林道途中→10:25石墨山登山口→10:50東温高校小屋10:55→11:35肩部→12:45石墨山12:50→13:15肩部13:30→13:45東温高校小屋→14:00登山口(実歩行時間3時間20分)

 伊予鉄道終点の横河原駅で降りる。駅前にタクシーはなく、電話で呼ぶ。国道11号の途中から進行方向に雪山が見える。石鎚山らしい。宿を出るときは快晴だったが、雲が広がり始めている。

 国道から別れて黒森峠への林道に入ると、道は急に狭くなる。下ってくるトラックはチェーンをつけている。唐岬ノ滝(からかいのたき)入り口にある石墨山登山口に着く前に、道は雪に覆われてしまい、タクシーを降りる。タクシー代は、4,380円。

 植林の中の登山道には猪か鹿の足跡が多い。人の足跡は見当たらない。東温高校の山小屋を過ぎると、伐採地となり、東に山が見える。石鎚山の山頂部は雲に覆われてしまい、山腹しか見えない。伐採後の雪原に兎の足跡。

<東温高校の山小屋> <兎の足跡>

 尾根道に入ると、まもなく傾斜が急になる。雪も深く、膝までもぐる。石墨山の北西尾根の稜線に出れば雪も少なくなるかと我慢して登る。

 ようやく肩部に出る。稜線上の登山道にも雪が多い。天気が良ければ、近くの雪景色と遠方の山の展望が楽しめるはずなのに...。

 岩場を過ぎた山頂直下の樹林帯の中は、吹きだまりのところでは雪が腿まである。山頂は見晴らしは良さそうだが、木立があって360度の展望というわけにはいかないようだ。石鎚山は間近に見えるのではないだろうか。

<石墨山へ> <石墨山山頂>
<このように見えるはずだった石墨山からの石鎚山>
数値地図を使って、カシミール3Dにより35mmレンズで描画

 最初の予定では、北西尾根を白猪峠までたどって、白猪ノ滝をまわるつもりだったが、天候が芳しくなく、雪で踏み跡もわからなくなっていそうなので、もと来た道を下る。雪の中の下りは、快適で速い。登りの半分以下の時間で登山口に着いた。

 ここから、集落のある国道まで10km近い林道を歩かなければならないのかと思いながら、靴に入った雪をとっていると、黒森峠の方から軽トラックが下ってきた。60代くらいの農家のおじさんが一人で、助手席が空いている。すぐに車に近づいて、乗せてほしいと頼む。怪訝な顔をされたが乗せてもらえた。山梨から山に登りに来たというと、こんな天気に物好きだねと呆れられた。松山市内の自宅へ帰るところだということで、松山の町まで乗せてもらえることになった。登りに使ったタクシーよりも遥かに長い距離を、おじさんと話ながらタダで送ってもらってしまった。住所を聞いて、お礼の年賀状を出そうかなどと考えていたのだが、松山市内に入ると上一万の交差点の路上でおろしてもらうことになってしまったため、慌ただしく別れてしまった。名前もお聞きしなかったのですが、この場で御礼を申し上げます。松山の駅の近くに住んでいて12/29に軽トラックで黒森峠を越えてきたおじさん、車に乗せていただいて本当にありがとうございました。

<山頂直下の樹林帯> <道後温泉本館>

 道後温泉の宿に戻った後、子供たちと道後温泉本館の湯に入りに行く。

Walstone
(2002/01/06記)