地形図

新緑の大室山〜加入道山〜鳥ノ胸山(道志/丹沢)

 ゴールデンウィークは、子連れでテントを持って、道志から丹沢北西端の稜線を歩いてきました。ブナの新緑が瑞々しく、特に人気(ひとけ)の少ない山梨県側の山腹では、5月の山の雰囲気を静かに味わうことができました。大室山の北東尾根と鳥ノ胸山の南尾根はオススメです。

※右の地図は、「山旅倶楽部」の日本地図「20万全国」をカシミール3Dで描画したものを改変して使用しています。赤線が歩いたルート、オレンジの線はバスに乗ったルートを示しています。

【日 程】2002年5月3日(金)〜4日(土)
【山 名】大室山(1587.6m)、加入道山(1418.4m)、大界木山(1225m)、鳥ノ胸山(1207.8m)
【天 候】晴れ(5/3)、雨のち曇り(5/4)
【同行者】子(小6)
【地形図】1:50,000「上野原」「秦野」「山中湖」「都留」
【タイム】
 第一日(実歩行時間4時間30分)
 久保10:55→12:05大渡分岐12:10→14:30大室山14:40→15:40前大室→15:55加入道山
 第二日(実歩行時間5時間20分)
 加入道山6:40→6:55白石峠→8:40モロクボ沢ノ頭8:50→9:05恋路峠9:10→9:30大界木山9:35→10:10浦安峠→10:50雑木ノ頭→11:15鳥ノ胸山11:35→12:30グリーンロッジ12:35→12:45道志道の駅13:05→13:25唐沢13:40⇒<富士急都留中央バス>⇒14:15久保

 中央線藤野駅から月夜野への直通バスが、この四月から廃止されたらしい。このためバスで道志に行くのはますます不便になったとか。しようがないので、甲府の自宅から車で道志に向かう。御坂トンネル→河口湖大橋→山中湖→山伏峠→道志というルート。山中湖付近で渋滞にあう。神奈川県から道志の谷を遡り山伏峠を越えて山中湖に向かう車が数珠つながりになっているが、逆向きの我々は快適に走る。

 ガイドブックに書かれていたように、久保の吊り橋の所の土産物屋で買い物をして駐車を頼むが、GWの客で混むからと断られる。しかし、親切な店のおばさんは付近の駐車に良い場所を教えてくれた(場所は秘密(^^;))。

 久保の吊り橋を渡って登山道に入ると、いきなり急な登り。テントと水を入れた荷は思いが、新緑のブナ林は明るく、気分は清々しい。一部に針葉樹の植林帯はあるものの、このルートの大半はブナ林。道の状態もガイドブックに書かれていたように悪くはなく、特に登りに使うなら迷うようなことはなさそうである。

<久保の吊り橋> <大室山北東尾根のブナ林>

 下の左の写真のように、山腹斜面が崩れて根が露出し、かろうじて地面にしがみついている木を何ヶ所かで見た。木がなければ、この辺の山は凄い勢いで崩壊してゆくのだろう。

 山頂が近づいて標高が高くなってくると、緑は薄くなり、林床にはバイケイソウの群落がでてきた。トリカブトの若葉は標高の低いところからずっと続いて広がっている。バイケイソウもトリカブトも間違えて食べられることの多い毒草である。

<斜面崩壊で露出した樹根> <大室山山頂近くのバイケイソウ>

 大室山山頂には10人以上の登山者。登りでは誰にも出会わなかったことを思うと、随分にぎやかな感じ。樹林越しに丹沢主脈の山や、北方には道志秋山の山がのぞける。

 加入道山に向かって下り始めたところで、富士山が奇麗に見える。その左には、愛鷹山、箱根山、小田原辺りの海岸線も見える。

 加入道山の避難小屋には先客が一人だけ。テントを出さずに小屋に泊ろうかと夕食の支度をしていると、グループの登山者が続けて到着してきて10人以上になってしまった。山頂に移動して、ベンチ横にテント設営。夜、風強く、雨。

<大室山頂南西からの富士> <加入道山頂にテントを張る>

 小降りの雨の中を出発。登山道沿いに、葉のない寄生植物のような花が咲いている。所々で見かけて気になり、帰ってから調べると、ヤマウツボという、やはり寄生植物だった。

<アミガサタケ> <ヤマウツボ>

 大界木山山頂を過ぎて城ヶ尾峠に下り始めるところに、鳥ノ胸山に通じる稜線への分岐がある。名前を記した標識はなく、テープが巻いてあるだけだが、入力してきたGPSデータと見比べながら注意していたため、すぐにわかった。分岐して最初のうちはヤブっぽかった道も、すぐにはっきりしてくる。林道が稜線を切ってつくられたため、地図で見ていたよりもかなり下らされてしまう。下りたところが浦安峠。林道がなかったころよりも、標高で50mくらいはくだっているだろう。峠に立てられた「鳥ノ胸山登山口」という標識にしたがって、下った分を登り返す。このあたりもブナの緑が美しい。

<鳥ノ胸山南尾根のブナ林>

 歩きやすい尾根道をたどり、針葉樹林の急登を越えるとまもなく鳥ノ胸山。登山道の通過点のようだった大室山や加入道山に比べると、今回の中では鳥ノ胸山がもっとも山頂らしいところだ。曇っていて富士山が見えないのが残念。登ってきた二人連れとすれちがって、階段の下りをどんどん下り、グリーンロッジ、オートキャンプ場を通って、道の駅道志で休憩。道志の谷は、キャンプ場も道の駅もGWの大混雑。車の通りの激しい道路沿いに唐沢バス停まで歩いて、都留から来る富士急バスを待つ。

Walstone
(2002/05/06記)