Mt Cook

マッテマッテの大展望−Mt Cook

 1997年1月11日から15日まで、ニュージーランドのマウントクック村に滞在しました。目的はもちろん、マウント・クック(3,754m)を眺めることと、周辺のハイキングです。

 1月9日までのウェリントンは、珍しく風のない穏やかな日が4日間も続いて、旅の天気が心配になるほどでした。案の定、10日から曇ってきて、マウント・クック村に入った日は、朝から雨。サイクロンが来てしまったのです。途中、プカキ湖を前景に眺められるはずのマウント・クックは影も形もなし。雨の中を、マウントクック・シャレーに入りました。このシャレーは、三角屋根の山小屋風で、18棟あります。中は、ダブルベッド1、シングルベッド4、食器や小型冷蔵庫の付いたキッチン、シャワー、トイレがあります。大人2人、子供3人の私たち家族で1泊NZ$135でした。

 12日は、午後になって雨は止んだけれど、山は雲で見えず。ボーエン・ブッシュ・トラック(10分)、ガバナーズ・ブッシュ・トラック(1時間)、グレンコー・トラック(15分)と村の中の森林歩きを楽しみました。

Mt Cook Chalet The Hermitage Tasman Glacier
[Mt Cook Chalet] [Hotel Hermitage] [Tasman Glacier]

 翌13日は、天気が徐々に回復してくるという予報に反して、昨日と同様、雨のち曇り。午後にケア・ポイントまで行ってみたものの、稜線は見えず。マウント・セフトン(3,157m)の山腹斜面にかかる迫力ある氷河が見られたのが、せめてものなぐさめでした。その後、車でタスマン谷にまわって、モレーンの氷河展望台にあがりました。地形図で見て期待していたタスマン氷河は、岩石と砂利だらけ。氷河は溶けてしまったのかと思ったら、砂利の間から氷がのぞいていました。日本の汚い雪渓と同じように(それ以上に)、氷河を岩石と砂利が覆っていたのでした。

 14日は、朝から雨が降っていなかったので、フッカー谷に行ってみることにしました。咲き残ったマウントクック・リリーを探しながら歩いていると、次第に雲の底が上がってきて、フッカー氷河の末端に付く頃にはマウント・クックが現れてきました。12月に、西海岸のフォックス氷河村に4泊した時は、5日間ずっと雨で、マウント・クックは雲の間から一瞬見えただけ。通算9日目にして、ようやくじっくりと姿を眺めることができました。ここから見るマウント・クックは、奥にある最高点が隠されているため、手前のロー・ピークだけが空に突き出て、絵ハガキでよく見る形とは違っていました。氷河湖で遊んで、帰る頃にはまた、山は雲に覆われてしまいました。

Hooker Valley Mt Cook Lookout board
[Hooker Valley and the first Swingbridge] [Mt Cook from Hooker Valley Glacier Lake] [Lookout board in Hooker Valley]

 最終日の15日は、6時過ぎに目を覚ますと、天気が良いようです。外に出てみると、山頂部を朝日に輝かせたマウント・クックが、寝ぼけ眼に飛び込んできました。快晴です。慌てて着替えて顔を洗い、カメラと三脚をもって飛び出しました。(ハーミテージホテル前からのパノラマ

Mt Sefton Mt Sefton Mt Cook
[Mt Sefton and the Alpine Memorial] [The rising sun strikes the peak of Mt Sefton.] [Mt Cook from the Hermitage]

 朝食を済ませた後、ハーミテージホテルに行ってヘリコプターフライトの予約。奮発して、マウント・クックを一周する最高のコースをたのみました。大人一人NZ$285、子供一人NZ$200。シャレーをすぐにチェックアウトして、ヘリポートのあるグレンタナーに向かいました。マウントクック村を離れるにしたがって、マウント・クックをはじめとする背後の山々がせり上がってきます。所々で車を止めながら眺めていったので、グレンタナーまで20分のところが45分もかかりました。

 私たち5人を乗せて飛び立ったヘリは、北上しながらベン・オハウ山脈を越えて、マウント・ホプキンス(2,682m)の下にかかるリチャードソン氷河に着陸しました。次男のさとるは、記念に昨夜抜けた乳歯を氷河に埋めました。その後、マウントクック村から見上げていたマウント・セフトンを横目に見ながら、マウント・クックの東面に迫っていきます。氷河を着けることのできない絶壁には、地層がよく見えます。映画を見ているようで、スケールの感覚が鈍ってしまいました。他に飛んでいるヘリの小ささから、ようやく山の大きさを測ることができます。フォックス氷河、フランツジョセフ氷河を左下に通り越して、マウント・クックの北側を廻り、タスマン谷を南下して、出発点に戻りました。45分間が、あっと言う間でした。

Heli-flight Mt Cook from the air Crevasse of Mt Cook Glacier
[Our helicopter on Richardson Glacier] [Mt Cook from the air] [Crevasse of Mt Cook Glacier]

Walstone from Queenstown, New Zealand (1997/01/18記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #08033)