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Kepler Track で 展望 Tramping

 年末年始にかけて山歩きをしてきました。Te Anau に宿をとって、年末に Kepler Track、年始に Routeburn Track と、ニュージーランドの Great Tramping を楽しみました。

【期  日】1996年12月29日〜1997年1月1日
【山  域】New Zealand
【ル ー ト】Kepler Track
【メンバー】Walstone、友人H
【タ イ ム】
 第一日 Te Anau 8:30->(Water Taxi)->8:40 Brod Bay 8:45->12:20 Luxmore Hut
 第二日 Luxmore Hut 7:25->8:30 Luxmore Saddle (Mt Luxmore 往復) 9:30->9:55 Forest Burn Shelter 10:15->11:30 Hunging Valley Shelter 12:05->14:15 Iris Burn Hut
 第三日 Iris Burn Hut 8:25->10:40 Rocky Point 10:45->12:25 Lake Manapouri13:10->13:25 Moturau Hut
 第四日 Moturau Hut 8:20->9:55 Rainbow Reach 10:00=>10:15 Te Anau Wildlife Centre

 正月休みを利用して山梨から来た友人Hと Christchurch で合流して、飛行機でTe Anau に向かう。Christchurch から Te Anau への直行便はなく、Mt Cook と Queenstown を経由して行く。おかげで、NZアルプスの眺めを堪能することができた。
 Te Anau の DOC (Department of Concervation) で、小屋のチケット3泊分を購入する(1泊15ドル)。

 <第一日>宿で予約してもらったボートで Lake Te Anau を横断して、対岸のBrod Bay へ(ボート代15ドル)。原生林の中の、良く整備された道を登る。TeAnau の町の展望台や、石灰岩の崖を過ぎて3時間あまりで、突然、森がなくなり、草原(tussock)に出る。日本の山だと、岳樺→ハイマツ、というふうにだんだんに木が低くなってくるのに、ここでは数メートルの高さだった森林が急に草原になり、視界が開ける。まわりの山を見ても、森林限界の線がはっきりしている。なだらかな草原の稜線には池塘が散在して、苗場山や巻機山を思わせる。間近には、穂高にそっくりな雪山と槍沢のようなU字谷、Te Anau の町のある平野には牧場が広がっていて北海道のような風景。展望を楽しんだ後は、わずかな歩きで Luxmore Hut。

water taxi forest limit Luxmore Hut
[Water Taxi] [Forest Limit] [Luxmore Hut and Lake Te Anau]

 日本なら、200人収容と言えそうな大きさの小屋の定員は、60人。一人一畳ほどの広さが確保され、マットがある。4つの水道と12のガスバーナーがある。圧巻は窓からの風景。左手に“穂高”と“槍沢”、正面から右には北東はるかの山並みの遠望、眼下には Lake Te Anau が広がる。眺めを重視した設計に感心する。これは、この後の Routeburn Trackの小屋でも同様だった。
 天気予報では、明日から下り坂とのことだったので、明日のルートの途中にあるMt Luxmore を往復する。黒部五郎のようなカールを右手に回り込むと、劒岳のような山が見えてくる。“穂高”にしても“劒”にしても、標高は2000mに満たないが、山容は日本の3000m級である。岩と雪、氷河地形のためだろうか。標高1500m弱の Mt Luxmore からは、1点360度の大展望(パノラマ写真)。写真を撮った後、地図でおおよその山名を確かめる。18度の方向に、わずかに頭をのぞかせた真っ白な双耳峰が高山の雰囲気を漂わせている。Mt Aspiring(3,033m) かと期待したが、どうやら Mt Earnslaw(2,830m) らしい。スイス人らしい女性の二人組みも、その山が気になったらしく、山の名前を聞かれたので、「maybe Mt Earnslaw」と答えてしまう。

Mt Luxmore Mt Luxmore Summit
[Mt Luxmore] [Summit of Mt Luxmore]

 小屋に戻ってから、付近の石灰岩の洞くつを見学。7時半からホールで、管理人の話とチケットの確認。若い女性の管理人の話は、何を言っているのかさっぱりわからない。「anyway」を連発していたから、たいしたことは言っていないのだろう、と気にしないことにする。50人くらいいいる登山者は、英語よりもドイツ語の方が優勢なようだ。日本人は我々の他に、単独一人と、二人連れが一組、いずれも女性。

<第二日>5時半に起きる。誰も起きてこない。日の出を見るという習慣はないのだろうか。夜遅くまで話し込んで、朝はゆっくり出発する、ということらしい。一人で見た、日の出は6時5分だった。本日は、稜線を辿ってから谷間の小屋に降りる、このルートの最高の山場。高曇りではあるものの、展望は昨日よりも良い。も う一度、Mt Luxmore に寄って展望を楽しむ。昨日撮ったのに、またパノラマ写真を撮ってしまった。Forest Burn Shelter 付近では、近くに Kea が舞い降りてじっくりと観察することができた。「ケ〜ア、ケ〜ア」という鳴き声を聞くこともできた。

dawn route Kea
[Dawn] [Track on Kepler Mountains] [Kea, New Zealand endemic bird]

 Hunging Valley Shelter を過ぎると、階段とジグザグの一気の下り。Iris Burn Hut に着いて、寝場所を確保してから、20分ほど歩いて滝を見に行く。歩いているときは寄ってこないが、休んだり小屋に着くと、サンドフライに悩まされる。小さなハエで、刺されると3日くらい痒みが続く。虫除けを塗っているけれど、効果があるのだろうかと疑うほど、多い。

Cirque Hunging Valley Shelter Iris Burn Hut
[Glacial Landform] [Hunging Valley Shelter] [Iris Burn Hut]

<第三日>Lake Manapouri の畔にある Moturau Hut まで、ずっと林の中の歩き。ブナと羊歯類の林は意外に明るい。もちろん、原生林である。ブナは日本のものと違って、葉が直径1cmくらいと小さい。小屋に早く着いたので、先にある ShallowBay まで行ってみる。Moturau Hutから、バスが来る Rainbow Beach までは近いので、この小屋をとばして、2泊3日の行程で歩く人も多いらしい。

flowers forest Moturau Hut
[Flowers] [Track in the Forest] [Moturau Hut]

<第四日>1時間半で Rainbow Beach。さらに歩いて Lake Te Anau まで行くこともできるが、楽を決め込んで、やってきたバスに乗る。Wildlife Centre で途中下車して、Takahe を見てから、Te Anau の宿に帰る。

Walstone from Cheviot, New Zealand

(1997/01/24記 Nifty-serve FYAMAP MES-6 #08094)